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大学時代に学んだ歴史学③

みなさんこんにちは、新卒社員のKです!

前回の続きで、私が大学時代に学んだ歴史学について雑談したいと思うのですが、少し話題がずれると思います。

私が通っていた大学では外国史を専攻している学生は原則として、英語の研究論文を日本語に訳すという授業に参加していました。外国史研究をする学生はほとんどの場合海外の論文を参考文献とする必要があり、その環境に慣れる必要があったからです。

この授業は私がゼミでお世話になった先生がご担当されていたのですが、とても印象深い授業の一つです。なぜなら、普段はとても温厚なその先生が、英文和訳となると怖い先生に豹変するからです。

特に記憶に残っているのが、ローマ市民法に関する論文を読んでいるときに“people”を“人々”と訳した学生に厳しくご指導されていた場面です。だって、普通は“people”って“人々”の意味じゃないですか?それなのに鬼の形相なんですよ?

でもしっかり理由があったんです。

ローマ市民法というのは、その名の通りローマ市民に与えられた法のことです。先生がおっしゃるには、ここで“people”を“人々”と訳してしまうと文脈が曖昧になってしまう。つまり、法の対象がローマ市民以外にも拡大してしまうため、ここでは“市民”と訳すのが適切だとのことでした。

先生は説明の中で日本国憲法を例にしていらっしゃいました。

確かに日本国憲法の条文を見てみると、「すべて“国民”は・・・」といった書き出しで始まっています。人々という言葉を用いることはなく、国民という言葉を用いて範囲を限定しているのです。

私はこの授業を受けてみて“言語をしっかりと理解すること”の重要性を体感しました。英語を勉強しているときでも、「こんな細かい間違いどうでもいいだろ!」と思った経験ってあると思うんですよね。例えば前置詞とか複数形とか。でもその間違いを放置することで、意図したものとは異なる意味をなしてしまうこともあると思います。

今回のブログは以上です。

ありがとうございました!